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転職法が大々的に変わるのは今回が初めて

Fさんの部屋から品質管理の本がなくなったとき、真の意味で第二の人生を歩み出したということになるのかもしれません。 新たな会社、新たな分野に転進すれば、中高年であろうと一人の新人にすぎない。
一人でできることなどたかが知れている。 新しい仲間の協力を得られるだけの謙虚さを持とう。
家族の協力なくして転職や起業独立がうまくいくことは、ほとんどあり得ない。 転進は本人と同時に、家族も試される機会である。

それは青天の霧震、まさに不意討ちといえる出来事でした。 二000年二月、とある生命保険会社で課長をしていたK康之さん(当時四十四歳)は、いつものように顧客の事務所を訪ねていました。
そのとき、携帯電話が鳴ったのです。 「会社が潰れたようだ」同僚の悲痛な声が響きます。
たしかに、同じくらいの規模の保険会社が相次いで経営破綻していたこともあり、社内では「ひょっとしたら、次はうちじゃないか」といったきな臭い噂が密かに飛び交うこともありました。 しかし、元来、楽天的と自らを評すKさんは、「うちは大丈夫だろう」と、その都度、噂を否定してきました。
それがいま、まぎれもない現実となったのです。 急進、営業所に戻ると、ほどなく本社から管理職全員に対して招集がかかりました。
そこで正式にトップから「経営破綻」の事実を告げられたのです。 それまで、会社の繁栄というものと自身の自己実現というものを切り離して考えたことなどありませんでした。
入社して二十三年間、会社こそが自分の自己実現の場だと考え、仕事に邁進してきた身にとっては非常に厳しい現実です。 会社のことをただ単に、「生活の糧を得る場所」、もしくは「次へのステップアップのための踊り場」というふうに捉えていたならば、ここまでの虚脱感に襲われることもなかったでしょう。
しかし、Kさんはそういうタイプではありませんでした。 会社更生法の適用が決まり、新オーナーとなった外資企業による「再建」がはじまりました。

それはKさんにとっては「まったく展望の見えない、とても口では言い表せないほど辛い」一年間のはじまりだったといいます。 顧客を訪ねては、ひたすら頭を下げて平謝りに謝ります。
「本当は、潰れることを前もって知ってたんじやないのか」と詰め寄られたことも一度や二度ではありません。 何時間も説教されるがままになっていたこともあります。
コールセンターで、一日中、顧客からの苦情処理にあたることもしばしばでした。

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